入居者の家賃滞納における対応は?電気を止めるのはありか?

大家さんにとって、入居者の家賃滞納は非常に困る問題です。
収入が減るだけでなく、対応に労力も時間も奪われるため、何としても早く解決したいですよね。
そのため、電気を止めることで家賃を払ってもらうという、半ば強制的な方法を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
果たしてその方法は問題ないのでしょうか。

□入居者が家賃滞納してしまう理由とは

家賃滞納へ対応するためには、そもそもなぜ家賃滞納が起きてしまうのかを知っておきましょう。
入居者が家賃滞納してしまう理由には、以下のことが考えられます。

・期限を忘れていた
・旅行などで長く家を空けていて支払えなかった
・急な病気やけが
・支払うお金がない
・支払う気がない

家賃滞納の多くは支払いが一時的に遅れてしまうケースではありますが、あまりに頻繁に遅れるのであれば相応の対処をとる必要があります。
家賃の支払い期日を通知するなどして、意識付けができれば改善の余地があるでしょう。

しかし、支払うお金がない場合やそもそもその気がない場合には、普通に支払いをお願いしても解決できることはほとんどありません。
法的手段を活用したり、連帯保証人に連絡したりするなど、別の方法を考える必要があります。

□電気を止めるのはありか

それでは、電気を止めることで家賃滞納をやめてもらう方法はありなのでしょうか。
答えは、ありなしの話ではなく、そもそも大家さんに電気を止める権利はないため不可能であるという話になってきます。

電気会社と大家さんが契約して、大家さんから入居者に電気を提供するという手法を取っている物件はあまりありませんよね。
ほとんどは入居者自身が個別で電気会社と契約していることでしょう。
そうなると、電気の契約は賃貸借契約と全くの無関係であるということになります。

そのため、家賃が滞納されようとも大家さんには電気を止める権利はないのです。
入居者が家賃だけでなく、電気代も滞納している場合には供給がストップされますが、大家さんにその決定権はありません。

□家賃滞納への対応方法を確認

電気を止める方法ができないとなれば、ゴールを強制退去として別の方法を考えてみましょう。
ここでは家賃滞納をしてあらゆる対応を無視し続けられた場合の流れを紹介するので、参考にしてみてください。

まずは時系列ごとに確認してみましょう。

家賃滞納から1ヶ月まで
・入居者本人に電話やメールなどで連絡
・督促状を送付(2回)

1ヶ月から2ヶ月まで
・連帯保証人に連絡
・督促状を送付
・内容証明郵便で書面を送付

3ヶ月から6ヶ月まで
・契約解除を内容証明郵便で通知
・裁判所へ家賃請求の申し立てを行う

6ヶ月以降
・強制執行の手続き
・裁判所による強制退去

大家さんが家賃滞納を続ける入居者に対して契約解除や強制退去への申し立てが可能となるのは、3ヶ月以上の滞納が確認でき、内容証明を送っても支払いがない場合であると民法で定められています。
内容証明郵便とは、郵便局に誰が誰にいつどういう内容の郵便を送ったのかを証明してもらえる特別な郵便です。
この文面で「1ヶ月以内に未納分を支払ってください」等、期間を設けている記載をしておくと、「一定期間を定めても支払いがない」という民法での記載を満たしていることとなり、強制手段を取ることを法的に認められることとなります。

契約解除に関する内容を内容証明郵便で通知する際は、期限を設けておきましょう。
期限を超過したら解除されることになるとしておけば、入居者の行動に振り回されません。

そうして賃貸借契約を解除したにもかかわらず、一向に部屋の明け渡しや未納分の家賃支払いをしない場合には、裁判所へ明け渡しや家賃請求の申し立てを行うことになります。
これを「明渡請求訴訟」といいます。
ただ、経済的な事情などで払いたくても払えないという場合には、6ヶ月以上滞納していても契約解除や明け渡しが認められない場合もあります。
ご自身だけで解決しようとせず、弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。

明渡請求訴訟で大家さんの主張が認められると、入居者に対して退去を命じる判決が下されます。
にもかかわらず、それでも入居者が部屋から出ていかない場合には、強制執行の手続きを行いましょう。
いくら判決が出たからといって、大家さん自ら鍵を交換したり、家具を運び出したりすることはしてはいけません。
必ず、執行人と呼ばれる特別な権限を持った人に行ってもらうように手続きをしてください。

こうして、家賃を滞納し続ける入居者に対して部屋の明け渡しをしてもらいます。
できる限り負担なく対処していくには、専門家の力を借りる他ありません。
弁護士への依頼を視野に入れ、なるべく早く解決できるようにしましょう。

□まとめ

家賃滞納の場合の対応について解説しました。
たとえ大家さんであっても、賃貸借契約と無関係である電気を止める権利はありません。
今回ご紹介した方法を参考に、対処法を検討してみてください。

今回紹介した以外にも、金沢市内の物件を多く取り扱っております。

ぜひ金沢エリアの物件をご覧ください。

※こちらは2022年7月3日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。

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