第4回 後継者育成塾「相続応用編」を開催しました(11/23)
11月23日、後継者育成塾の 第4回「相続応用編」 を開催しました。
今年の育成塾の中でも特に“家族を守る実務力”が問われる重要な回であり、会場にはこれまで以上の緊張感と期待感が漂っていました。
相続は、知っている人だけが備えられるテーマです。
しかし現実には、「なんとなく不安だが、まだ大丈夫だろう…」と後回しにされ、
いざ相続が発生したときに“選べるはずの選択肢がゼロ”になってしまうケースを私は何度も見てきました。
だからこそ今回の「応用編」は、
単なる知識ではなく、**“将来の最悪のシナリオを回避するための実務的対策”**を深く掘り下げる内容として構成しました。

■ 相続の本質は「争族」を防ぐこと
今回の講義ではまず、相続の本質を整理するところから始めました。
- 法定相続分
- 遺留分
- 自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
- 遺産分割協議の実務
- 共有のリスク
これらは基本ですが、**“知らないと家族が迷うポイント”**でもあります。
特に、不動産は現金のようにキレイに分けられないため、相続人同士が迷う場面が必ず訪れます。
今回のセミナーでは、
「自宅」「アパート」「敷金」「借入」など、不動産オーナーなら必ず関わる財産を題材にしながら、
どう分けるとトラブルが生まれ、どう分けると円満に進むのか を具体的に解説しました。
■ “相続=税金の話”と思っていると危険
多くの方が相続を「税金の問題」として捉えがちですが、実際はもっと複雑です。
- 税法
- 民法
- 不動産評価
- 認知症リスク
- 遺言・死後事務委任
- 財産の整理・境界確定
今回の応用編では、これらを 一枚の流れ として整理し、
「どの順番で何を押さえると相続はうまくいくのか」
という“最短ルート”を提示しました。
特に皆さんが身を乗り出して聞かれたのは、
「空室が相続税評価にどう影響するのか?」
というポイント。
これは実務上、意外と知られていない重要事項のひとつです。

■ 不動産オーナーこそ「相続の仕組み」を知らないと損をする
不動産は、現金よりも“評価の差”が大きく、
正しく対策すれば節税につながり、誤ると一気に税負担が増えるのが特徴です。
講義では、実際の物件を例にしながら
- 貸家建付地の評価減の仕組み
- 相続人の人数で税負担が変わる理由
- 養子縁組による控除アップ
- 小規模宅地の特例
- 生前贈与・生命保険の活用
- 月極駐車場は“本当に事業として成り立つのか”
といった 「知らなければ損をする実務ポイント」 を多数取り上げました。
特に、建物を建てて融資を組むことで評価がどこまで圧縮できるかを示したスライドでは、
参加者の方々から何度も「へぇ〜!」という声が上がりました。
■ “学んだ先にあるもの” — 家族のゆとりと幸せ
後継者育成塾は、
単なる知識習得ではなく 「家族の未来を守るための教養」 を身につける場です。
不動産オーナーの皆さまの人生において、
不動産・お金は“人生の質を高める道具”に過ぎません。
正しく理解し、正しく使いこなすことで、家族の安心は確実に増えます。
今回の応用編では、まさにその「軸」を共有させていただきました。

■ 次回予告
次回は 「長期修繕計画+出口戦略 編」
2025年12月21日(日)16:30〜18:00
※繁忙期のため、次の開催は4月となります。
相続対策・空室対策・投資理論・出口戦略……
不動産オーナーとして“判断できる後継者”になるための学びを、
今後も全力でお届けしてまいります。
