相続が家しかない場合はどうする?相続財産の分割方法をご紹介

「親の遺産を相続したが、財産が家しかなかった」
このような場合、相続した財産をどのように分配するかで対処が難しくなったり、場合によってはトラブルに発展したりする可能性もあります。
対処が難しくなる理由としてはいくつか挙げられますが、最大の理由としては、家はお金のように簡単に分割できないことが挙げられます。
今回は、そんな「家」を相続したときの対処法をご紹介します。

 

□相続する財産が家しかない場合はどうなる?

 

冒頭で述べたように、家はお金のようにそのまま分割できるものではありません。
1つの家を2つに分割することは、物理的に不可能ですよね。
そのため、相続する財産が家しかない場合は対処が難しくなるのです。
また、相続する家に、被相続人(財産を遺して亡くなった方)の子供が住んでいた場合は、より対処が難しくなるケースがあります。
例として、2人の子供(長男、次男)がいた場合を想定してみましょう。
Aさんには長男と次男の2人の子供がいます。
Aさんは自宅で長男夫婦と同居しており、次男は離れて暮らしています。
Aさんは生活面で長男に世話になっていたため、長男に自宅を遺したいと考えていました。
そこで、Aさんは自宅の名義を長男の名前に変更して、自宅を長男に生前贈与しました。
それからしばらくして、Aさんが亡くなると、自宅が長男のものとなっていたことを後から知った次男は大激怒。
主な財産は家しかなかったため、長男がすべての財産を引き継いだことになってしまったのです。
そこで次男は、「自分にも遺産をもらえる権利がある」と主張しました。
このように、相続する財産が家しかなく、さらにその家に被相続人の子供が住んでいたとなると、相続人の間でトラブルに発展してしまうケースがあるのです。
トラブルの原因や内容は人によってさまざまですが、いずれにしても相続する財産が家しかない場合は、対処が難しくなることが予想されます。

 

□相続した家はどうすれば良い?

 

相続財産が家しかない場合、主な対処法としては「代償分割」と「換価分割」が考えられます。
共有不動産にする方法も考えられますが、こちらはあまりおすすめできません。
また、家を取り壊せる場合は土地として分割する方法も考えられます。
それぞれの方法について見ていきましょう。

 

▼代償分割

 

代償分割とは、相続財産である家を相続人の誰かが単独で承継し、それ以外の相続人に対して代償金を支払う遺産分割方法です。
家を相続しなかった人に対して、相応の代償金を支払うことで合理的かつフェアに遺産を分割できます。
ただし、代償金を支払うためにお金を用意する必要があり、それが難しい場合は対処が難しくなってしまう点に注意が必要です。

 

▼代償分割と配偶者居住権を併用

 

配偶者居住権とは、簡単に言うと、「自宅の権利を、住む権利(居住権)と、それ以外の権利(所有権)に分け、住む権利は配偶者が相続し、それ以外の権利は他の相続人が相続する」という仕組みです。
代償分割と配偶者居住権を併用することで、配偶者は今まで住んでいた家に住み続けられる権利を確保できるメリットを得られ、一方で土地と建物を取得する相続人は、支払う代償金の額を減らせるというメリットを得られます。
ただし、専門家による配偶者居住権の評価が必要になるといったデメリットは認識しておく必要があります。

 

▼換価分割

 

換価分割とは、相続した家を売却して、その売却代金を相続人の間で分割するという方法です。
家を分割しやすいお金に変えることで、公平に分割できることが最大のメリットです。
ただし、売却先が見つかることが前提となる方法であるため、需要の少ない地域では必ずしもうまくいくとは限らない点には注意が必要です。

 

▼共有不動産にする

 

ここまで述べてきたように、家をそのまま分割することは物理的に不可能です。
ただし、不動産を持分として共有状態で所有することは可能です。
しかし、後述しますが、デメリットが大きいことから、あまりおすすめできる方法ではありません。

 

▼分筆する

 

比較的広い土地で分筆しても個々が独立した用途に使えるのであれば、家を取り壊して土地にして、分筆するのも1つの手です。
家は分割できなくても、土地にすれば分割できるというわけです。
それぞれが自由に土地を活用できるため、こちらも比較的公平な方法だと言えるでしょう。

 

□相続した家を共有不動産にするリスクは?

 

相続した家を共有不動産にする方法をご紹介しましたが、この方法には多くのデメリットやリスクが伴います。
例えば、自由に売却できないことが大きなデメリットとして挙げられます。
家が共有不動産になっている以上、その家を売却するためには、共有者全員から合意を得る必要があります。
つまり、1人が売却したいと考えても、他の共有者の同意を得られなければ、いつまでも売却できなくなってしまうのです。
このように、諸々の権利関係で扱いが難しくなったり、トラブルに発展したりする可能性が生じるため、共有不動産にするという選択肢はあまりおすすめできる方法ではないと言えます。

 

□まとめ

 

今回は、相続する財産が家しかない場合の対処法をご紹介しました。
相続した家を分割する主な方法としては、以下が挙げられます。
・代償分割
・代償分割と配偶者居住権を併用する
・換価分割
・共有不動産にする
・分筆する
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、ご自身の場合ではどの方法が適しているかを考えつつ、相続人同士でよく話し合いながら対処を決定しましょう。

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※こちらは2023年5月11日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。

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